岸本周平知事は28日、県議会予算特別委員会で県営射撃場について、昨今の資材高騰に伴う整備費の上昇を理由に、2023年度の予算化を見送ったことを明らかにした。


 県営射撃場は昨年11月、仁坂吉伸前知事が県内の特定の候補地で整備の条件が整うめどがついたと発表。今議会に提出している当初予算に関連費が計上されるとみられていた。委員会では楠本文郎議員が「新知事は前知事からどのように引き継がれたのか。当初予算にないということは(計画を白紙に戻して)一から出直しなのか、それとも前知事が提示した整備の条件がクリアできないから予算化に至らないということなのか」と質問。岸本知事は、前知事が①騒音や鉛害対策をしっかりしたうえでの適正な整備費②運営経費の県負担の抑制と運営主体の存在③市町村の積極的な協力と地元住民の理解――の3条件をもとに検討してきた経過を振り返り、「3条件が整わないと整備のゴーサインが出ないものと理解している」と答弁。昨今の資材費の高騰で当初の計画より整備費の見積もりが相当上昇することが判明し、事業着手から3年後の土木工事などの発注時に整備費がどこまで上昇するか見通しが困難でもあると説明、「(予算化に向けては)状況を見極める必要がある」と述べ、現時点で整備条件の一つの県負担の抑制がクリアできる見通しが立たないとした。


 県は深刻な鳥獣被害の減少へ銃猟者の新たな担い手確保も喫緊の課題と判断。射撃技術向上や事故防止の研修が受けられる施設として、県内での射撃場整備を数十年にわたり模索しているが、以前候補地に挙がった湯浅町は2009年に用地不足、印南町は12年に地元住民合意が得られないなどの理由で白紙となった経緯がある。現在の候補地について県は場所の公表を控えている。建設用地は10㌶以上が必要とされ、工事期間は最低でも3年はかかるという。