先月、上野動物園からシャンシャン、続いて白浜アドベンチャーワールドから永明、桜浜、桃浜が中国へ返還された◆特にパンダ好きというわけではなかったが、永明はニュースなどに出るたび目が吸い寄せられた。いつも笑っているようなご機嫌な表情で悠然と座り、竹をつかんでモリモリと食べる姿に笑顔を誘われていた◆3頭の中国返還のニュースには少なからずショックを受けた。昨年で30歳、人間でいえば90歳の永明。テレビなどでスタッフの方達が真摯に献身的に世話してきた姿を見ただけに、そんなに高齢になってから慣れ親しんだ環境を離れることを思うと、連れ出される時にはどんなに驚くかと勝手に永明の身になり、泣きそうになっていた◆返還当日、永明は最初はとまどっていたがすぐに竹を食べ始め、ぐっすり眠っていたとの報道に胸をなでおろした。動物は人の気持ちを察する。関係する人たちが永明に心を寄せ、なんとしても無事に運ぼうとしていることがわかったのかもしれない◆いわゆる「パンダ外交」で、日本だけでなくアメリカ、インドネシア、ロシアなど各国でパンダが暮らしている。いろんな思惑が周辺には渦巻くのかもしれないが、天の摂理のまま生きる動物自身に計算はない。かわいい親善大使の存在により、人々の心が平和を目指す方へ動けばどんなにいいかと思う◆番組では、永明達が行く成都大熊猫繁育研究基地で暮らすパンダ達も紹介。モリモリと竹を食べるオスのパンダがいた。永明の初めての子ども、2004年に中国へ渡った雄浜である。元気な姿に安堵を覚え、永明らの中国での健康と幸福を祈った。(里)


