SQF認証を受けた梅加工施設

 2021年に増改築工事が完成したJA紀州アグリセンターみなべの梅加工施設が、食品安全と品質の国際認証であるSQFを取得。大企業との取引やブランド力の強化に向け、弾みをつけた。

 SQFの認証は、食品安全のためのマネジメントシステム「HACCP(ハサップ)」などを導入し、食品製造の衛生管理や商品の品質など400以上の厳しい要求項目をクリアすれば取得でき、国際的に工場の安全性や信頼の証しになる。国際認証は、県内の梅干し製造工場でも大手を中心に取得が進んでいるため、同JAでも取得に取り組んだ。

 同施設ではオリジナルブランドのデザート感覚で食べられる「tоmatо―ume(「トマト梅)」やゆら早生の果汁で漬け込んだ「みかんこい梅」など、調味梅干しを中心に製造。生産量の増加とSQF認証取得に向け、衛生管理区域の明瞭なエリア分けなど、食品安全や品質の事故抑制につながる増改築、X線検知機など異物混入を防止する生産ラインの構築などを行った。安定稼働を確認し、繁忙期を終えた昨年10月に初回審査を受けて合格し、先月、正式な認定証が届いた。

 増改築とSQFの認証で、製造量を1・5倍に拡大し、認証を条件とする大企業などとの取引などを目指している。同JA販売部加工直販課の久保田博之課長は「SQF認証は、ペン1本から徹底した管理を継続させるため、緊張感がありますが、従業員のやる気の醸成にもつながる。大企業など新たな納品先を確保し、産地のおいしく安全安心な商品を届けていく。新商品の開発にも精力的に取り組み、生産者の皆さんの所得向上を図りたい」と話している。