任期満了に伴う美浜町長選(2月7日告示・12日投開票、町議選と同時)へ向け、現職の籔内美和子氏(60)=浜ノ瀬・1期=が30日、公約を発表した。4年前と同じ「強く、優しく、美しいまち美浜」をスローガンに、新たに給食費の無償化検討、高齢者の外出支援の拡充、災害に強いまちづくりへ町道の拡幅、ファミリーサポートセンターへの参入などを約束。「1期目で蓄えた財源を住民に還元したい」と話した。

 4年前の就任時には町の貯金にあたる財政調整基金が約8億6000万円と少なく、「財源が乏しくなかなかやりたいことがやれなかったが、18歳まで医療費無料化など公約を果たしながら、ふるさと納税に力を入れて取り組み、財源確保に力を注いだ。4年間で財政調整基金を16億円超に増やすことができたので、2期目は蓄えた財源を住民の皆さんに還元し、使いながら貯めたい」と積極的に投資していくとした。

 具体的には、国の交付金を活用して昨年10月から今年3月まで実施している中学生以下の給食費無償化を来年度以降も継続することを検討。高齢者の外出支援もさらに拡充し、元々は75歳以上の住民税非課税世帯が対象だったタクシー券(1万2000円分)の配布をすべての75歳以上の高齢者に拡大する。また、今年度からの高齢者のインフルエンザ予防接種無料化を継続するのに加え、18歳までの子どもについては町による補助を1人1000円から2000円に増額する。

 災害に強いまちへ避難路にもなる狭い町道の拡幅を推進。子育てしやすい環境づくりでは、来年度から御坊市のファミリーサポートセンター事業に新たに加入する。このほか健康増進策として、各種がん検診の個人負担をすべて無料にし、早期発見・治療につなげていく。がん治療に伴うウィッグ(かつら)等に補助制度を創設し、今年度から行っている不妊治療への補助も継続。スポーツ感覚で楽しみながらごみを拾うイベントなども企画する。

 「美浜町に住みたいと思ってもらえる人を増やしたい。私に町政を預けて幸せと思ってもらえるよう、皆さんが笑顔になるよう誠心誠意努めることを約束します」と話した。
 町長選は、前町長の森下誠史氏(67)=三尾=が立候補を表明しており、前回と同じ一騎打ちの様相。森下氏も今後公約を示すとしている。