大成中ではやぶさ2について話す圦本さん

 日高川町小熊出身で、太陽系の起源と進化の研究を行っている北海道大学大学院理学研究院の圦本尚義教授(64)が27日、母校の大成中学校で講演を行った。

 圦本教授は、大成中、日高高校から筑波大学に進み、太陽系の起源と進化を宇宙物質の分析・解析を通して解明、研究。世界で唯一の同位体顕微鏡を独自で開発、多くの研究成果を上げているほか小惑星「イトカワ」や「リュウグウ」を探査し、表面の物質を地球に持ち帰る技術を実証した日本の小惑星探査機「はやぶさ」と「はやぶさ2」のプロジェクトにも参画。採取した地質サンプルの化学分析チームでリーダーを務め、太陽系の起源の解明に力を注いでいる。

 講演のテーマは「リュウグウから未来への玉手箱」。はやぶさ2が爆音を上げながら宇宙に打ち上げられた映像や、3年半かけ32億㌔の道のりをどのように進み、リュウグウに到達したのかが分かるアニメーションを使って講演。リュウグウで採取された5㍉ほどの地質サンプルのレプリカなども見せながら分析の様子も説明し、「サンプルには水分が含まれていたことから、太陽に遠い冷たい場所で生まれた惑星ということが分かる」など、化学分析で明らかになったことも紹介した。

 小さいころからいろいろなことを不思議に思い、どうしてそうなっているのだろうなどと考えることが好きだった。中学1年生のときに初めて望遠鏡で星を見て宇宙に興味を持ち、科学者になりたいと思っていたとし、「皆さんも『なぜ』と思うことを大事に、不思議なことに興味を持ち続けてほしい」と訴えた。