
2021年・第19回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した本作。著者の新川帆立さんは、東大法学部を合格し弁護士としても働いたことのある方です。
あらすじ 大手法律事務所に勤め、28歳にして年収2000万円を稼ぐ才色兼備の弁護士・剣持麗子。指輪の値段が安いと彼氏からのプロポーズをふいにし、ボーナスの減額に腹を立てて事務所を飛び出し休職状態となって一人暇を持て余していた彼女に、大学時代に3カ月だけ付き合った元彼・森川栄治が永眠したとの一報が入る。大学のゼミの先輩で栄治とも交友が深かった篠田によると、栄治は近年重度のうつ病で体力が低下しており、最終的にインフルエンザにかかって死んだのだという。大手製薬メーカーの御曹司で、数年前に祖母の遺産60億円を相続していた栄治は、「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という、なんとも奇妙な遺言状を残していた。「栄治が亡くなる1週間前に、僕は栄治と会っているんだ。そしてそのとき、僕はインフルエンザの治りたてだった。どうかな。僕は60億、もらえるだろうか」。栄治の死の真相を知るためにも、代理人になってこの件を調べてくれと篠田に頼まれた麗子は、最初「報酬が割に合わない」と断るが、栄治の資産額を調べ直して300億円はあることを知ると、成功報酬150億円を目当てに仕事を引き受けることに。森川製薬の幹部3人による審査「犯人選考会」をパスするべく、依頼人の篠田を犯人に仕立て上げるプランを練り奔走する麗子だったが、事態は思わぬ展開に――。
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という、前代未聞の遺言書をめぐるミステリー。毎回展開が読めず、常にワクワクしながら読み進めることができました。伏線回収もちゃんとされていて、短い割にしっかり構成がされていて面白かったです。 (米)


