給食で日高川町産の小麦パンを食べながら笑顔の児童ら(川原河小)

 子どもたちにより安全な給食を食べてもらいたいと活動する「給食スマイルプロジェクト~県産小麦そだて隊!」の取り組みの一環で25日、日高川町で栽培の小麦100%で製造したパンが同町の小中学校で提供された。

 町内では、昨年度に続いて2度目の町産小麦パンの提供で、今年は13校に734食が提供された。美山地区の小中学校には、田尻のパン工房こむぎっ子がコッペパンを焼いて納入。川原河小学校(原里枝校長、児童19人)では、町内で大切に育てられた小麦でできたパンであることが紹介され、児童は笑顔いっぱい頬張り、「いつもより甘くておいしい」などと話していた。

 県産小麦そだて隊は2020年度に発足し、輸入小麦に頼らず、給食のパン用に県内で安心安全な小麦を作ろうと、和歌山市と海南市で活動を開始。昨年度から日高川町の農業者も活動に加わり、今年度は佐井などで4軒が農薬や除草剤不使用の小麦を栽培。昨年5月に収穫し、乾燥後製粉した約2・2㌧をいったん県学校給食会に納入し、今回の給食に提供された。

 地産地消を進める県学校給食会も県産小麦パンを毎年全校に1度は提供することを目指して連携。これまでは産地の学校のみの提供にとどまっていたが、県産小麦の生産量が少しずつ増加し、約4・1㌧を仕入れた今年度は産地以外の新宮や橋本の学校にも提供された。来年度に向け印南や広川でも栽培がスタートするなど生産者や栽培面積も増えつつあり、活動に広がりを見せている。