協定書にサインする谷口社長㊧、岸本知事㊥、久留米町長

 日高川町和佐に工場を置くチョコレート製品メーカーの株式会社たにぐち(本社=大阪市)が17日、同地の工場隣接地に新工場を増設するにあたり、県と町との間で進出協定を締結した。

 同社の工場は89年に県と旧川辺町が誘致を行い、南山スポーツ公園入口付近の町有地に川辺工場(現和歌山工場)を開設。2度の工場増設時にも進出協定を結んでおり、3回目の今回は、約4億7800万円を投じ、延床面積988・2平方㍍の新工場を増設し、環境問題やSDGsの観点から、環境対応製品の内製化に取り組むため、バイオマストレイやチョコストローの生産設備を導入する。今年7月の操業を予定しており、3年間で地元雇用の正社員10名の採用を見込んでいる。

 調印式は県庁知事室で行われ、同社の谷口雅一代表取締役社長、岸本周平知事、久留米啓史日高川町長が協定書に調印した。岸本知事は「経済の発展に一層貢献いただけることに、県民を代表して心からお礼申し上げる。今回は特に環境対応ということで、県が目指す方向であり、世界全体がSDGsを重視する中、素晴らしい投資」と感謝した。久留米町長は谷口社長に地元雇用の推進等に感謝し、「本町は『ゼロカーボンシティ宣言』をして脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいるところ。新工場進出は環境問題やSDGsに取り組む企業としての評価がさらに高まるものと期待しています」と述べ、岸本知事には企業誘致活動のさらなる連携を求めた。

 谷口社長は「食べられた皆さんが食卓で笑顔になってもらえる製品を作っていることを誇りに思っている。今回は環境問題に対応して、社会に、地球にやさしい、そして雇用も生み出すことで、和歌山県に少しでも貢献していきたい」と話した。
 歓談のあとはチョコストローの試食なども行われた。