防災対策の聞き取り調査をする役員(地方地区で)

 阪神淡路大震災の発生から28年を迎えた17日、印南町自主防災会は65歳以上の人が住む世帯を対象に、家具の転倒防止対策や通電火災対策状況の点検を実施。南海トラフ地震に備え、防災対策の呼びかけを行った。

 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災では、死者6432人のうち約8割が建物や家具の倒壊による圧迫が原因といわれている。神戸市内は7000棟以上が焼失し、出火原因のほとんどが地震による通電火災だったと考えられている。

 点検は各地区自主防災会組織がそれぞれで実施。事務局が用意した防災対策点検シートを基に世帯を一軒ずつ回り、玄関先で聞き取り調査をした。印南の地方(あげ)地区では、対象の54世帯を二手に分かれて調査。「棚や冷蔵庫を固定しているか」「感震ブレーカーを設置しているか」などのチェック項目を一つひとつ確認し、聞き取りで状況が分かりにくい家では、中に上がらせてもらって状況を確認した。対策が不十分な世帯には、町の対策補助事業を利用するようチラシを配布した。

 地方地区防災会会長の片山敬唯さん(62)は、「日中に地震が発生すると、若い人は職場など、高齢者は1人で家にいるケースが多い。そのような人たちをどう安全に避難させるかを考えたとき、家の中の対策はもちろん、どういった人が住んでいるのかを把握する必要があります。今回の点検で災害弱者を把握し、いざというときに役立てていきたい」と話していた。