銀メダルを手に岡﨑さん

 日高広域消防に勤務する岡﨑大地さん(33)=日高町荊木=らのチームが、台湾で開催されたロープレスキューの大会「橋(チャオ)」で準優勝した。世界中の救助関係者が注目する世界大会で、高い技術力とチームワークを発揮。「ロープレスキューは1分1秒を争う場面で使える人命救助の技術。業務に生かし、住民の方に安心感を持ってもらえるよう、もっと磨きをかけたい」と笑顔を見せている。

 ロープレスキューは国際基準の資機材と技術を使った救助の方法で、世界の救助隊が災害現場で日ごろから使用。ビル、工場、工事現場といった都市部や山、崖という足場が不安定な自然地形でヘリコプター、消防車が近づけない場所で発生した災害現場でロープを使い、安全、迅速、効率的な活動を可能にする。日高広域消防でも年に数回、ロープレスキューによる救助が行われている。

 チャオは2014年に台湾で始まったアジア最大のロープレスキューの大会。今回は世界11カ国から1チーム5人、グローバル連合を含む24チームが出場した。

 消防士になって13年目の岡﨑さんは、ロープレスキューの技術を高めようと、4年ほど前に講習で知り合った田辺市、奈良、三重2人の消防士と5人でチーム「START」を結成。新型コロナの流行以降、集まって練習できないなか、それぞれ個人で技術を磨いてきた。国内大会で実績を積み、世界中の消防士が憧れるというチャオに出場。銀メダルを持ち帰った。

 チャオは今月8日から10日まで台湾の南投市で行われ、初日は橋から垂らされたロープを100㍍登る種目でタイム1位。2、3日目は10㍍以上の崖下やビル屋上から実際に人を救助する10の想定に挑み、タイムや技術で高い評価を受けた。

 所属する広域消防の阪口悟消防長にも報告し、「日ごろの訓練の成果が出せました。世界で評価されてうれしいです」。「ロープレスキューは人を助ける技術。もっと上を目指し、技術を高め、また指導にも力を入れていきたい」と話し、阪口消防長も「仕事以外の休日に、さらにコロナ禍での練習は大変だったと思う。他の職員のいい刺激になり、また自己研さんし、救助技術の向上を続けてほしい」とたたえた。