「向こう三軒両隣」はアラフィフの筆者でぎりぎり聞いた言葉だろうか。家の両隣と道向かいの3軒は近所の中でも特に仲のいい、家族のような付き合いだという例え。こういう付き合いが当たり前だった昭和時代は地域のつながりが強く、助け合って生活するのが普通だった。時代は移りかわるもの、それぞれのプライバシーが尊重される半面、やはり地域のつながりは希薄となっているのは誰しも感じるところ。都会に限らず、田舎にあってもその傾向は年々強まっている。祭りが盛んで地域の人が顔を合わせる機会が多い日高地方でも、やはりつながりは薄まっていると感じるのは筆者だけではないだろう。
「ヘルパーさんが自宅を訪ねると風呂で亡くなっていた」という話をつい最近も聞いた。一人暮らしの高齢者や高齢夫婦だけの世帯は増えるばかりで、不安の声はたくさん聞こえてくる。新型コロナの影響で人と人が会う機会はさらに減り、希薄化に拍車をかけた。一方で、地域で支え合おうと取り組む人たちも増えてきた。困った時はお互い様、スマホで簡単に買い物ができる時代でも、高齢者にはまだまだハードルが高い。地域での助け合いが今後、より求められる時代だろう。
美浜町では和田西地区の住民が互いに見守る「おたすけ隊」を結成した。向こう三軒両隣とまではいかなくとも、少子高齢化、デジタルな令和の時代だからこそ必要な取り組みだと感じる。「話し相手になるだけで喜んでくれる」「負担に感じず、楽しく活動したい」、メンバーから聞こえてくる声こそが地域コミュニティーの原点だろう。このような活動が多くの地域に広がればいいなと思う。(片)


