先日、空き家の所有者と利用希望者をマッチングする由良町の「空き家バンク」で、大引の空き家を登録した人と取得した人を取材した。空き家バンクは空き家の流通や活用促進を目的に、物件情報をウェブサイトで提供する制度。社会問題になっている空き家の解消へ自治体が主体となって運営している。同町の制度は2020年にスタート。3年目の今年度、この2人の契約が制度開始後初めての成立となり、それ以降、さらに売買・賃貸の成約件数が伸びているという。
同町は増える空き家の活用や住まい不足の解消、移住定住の促進に向けて取り組んでおり、今年度からは空き家改修支援補助金交付制度もスタート。県が行っている「県外」からの移住者への補助に対し、町は「町外」からの移住者に補助を出している。それも功を奏したのか、20、21年度とも成約はなかったが、取材した空き家で今年4月、契約が成立して以降これまでに7件、もう1件も成約間近だとか。
取材させてもらった方は農業だったが、ワンストップパーソンの町職員によると、利用者は釣り目的での希望がほとんど。由良の海は人気があるということだろう。このように成約件数の増加もあって、現時点で町の空き家バンク登録は5軒だけ。利用希望者の問い合わせも増えているそう。一方、町内の空き家は今年の実態調査で477軒。町もバンクへの空き家の登録を呼びかけている。
取材に対し、「空き家の維持は大変。ありがたい」という元所有者家族と、「いい物件を用意してもらって感謝しかありません」と話す取得者。まさに登録者、利用者、自治体の「三方よし」の制度で、地域活性化へさらなる普及、活用が期待される。(笑)