「めっちゃ甘いですよ」ピノ・ガールを手にオーナーの清水さん

 夏の風物詩のイメージが強いスイカだが、印南町印南の農園「こだわり野菜SHIMIZU FARM」では、この寒い時期にスイカを栽培している。来週に控えたクリスマスに向け、先週から収穫が始まり、14日から出荷がスタート。オーナーの清水章広さん(51)は「緑の皮と赤の果肉の色合いで、クリスマス気分をぜひ味わってくれたら」と話している。

 スイカは「ピノ・ガール」という品種で重さ1・4~2・3㎏の小玉スイカ。約15㌃のハウス畑で、約1500玉を栽培している。種が小さく食べやすいのが特長で、糖度も13度と高く、この地域ならではの気候の寒暖差を生かし、より甘いスイカが実った。印南町では「ひとりじめセブン」の栽培が盛んだが肉質がやわらかく、ピノ・ガールの方が肉質がしっかりしているため、この時期の栽培に適しているという。


 農園では今年からピノ・ガールの栽培を始めた。きっかけは出荷先の大阪の仲買人やバイヤーから「クリスマスにスイカが食べられたら面白い」という提案を受けたこと。種苗会社とも打ち合わせを行い、クリスマスの時期に美味しく食べられるスイカの栽培に挑戦した。9月下旬に定植、11月は日中気温の高い日が続いたことから生育も順調に進み、予定のクリスマスより少し早い出荷となった。


 15日は一気に冷え込んだ朝となったが、清水さんらは手際よく収穫を行い、約800玉のスイカを収穫した。出荷場ではサイズを計って選別を行い、シールを貼って箱詰め作業。主に大阪方面に出荷されるが、日高地方でも印南町印南のカフェ「cafe&plantsつばめ」、松源御坊店で購入することができる。