紀の国ホワイトを手入れする中井さん

 美浜町和田の胡蝶蘭の生産・販売を手がける株式会社美浜オーキッド(東裏幸浩代表)が、同社オリジナル品種「紀の国ホワイト」をPRして地域の特産化や活性化につなげようと、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を9日から開始する。

 美浜、日高、由良、印南、みなべの5町商工会でつくる日高経営支援センター(荊木宣雄センター長)から伴走型小規模事業者支援推進事業補助金のサポートを受けて実施する。

 紀の国ホワイトは、花びらが大きくて背丈も高く、豪華に見えるのが特徴。同社では以前から独自品種として生産・販売しているが、市場等でも特別なアピールはしていなかった。昨年4月から同社で働いている中井亮佑さん(26)が、「もっとPRして、魅力ある胡蝶蘭を、和歌山を代表する特産品にしたい」と企画。CFを募り、オリジナルのラベルやステッカー、リーフレットを作製する。目標額は50万円で、リターンは同社の3本立てや1本立ての胡蝶蘭の格安販売など。来年1月末まで。

 中井さんは大阪府南河内郡太子町出身。岩出市の近畿大学生物理工学部で植物や食品の品質管理、バイオテクノロジーを学び、農業に高い関心を持ったことから同社に就職した。胡蝶蘭生産を始めて1年半、知識を生かして理屈では分かっていても、株によって生育に違いが出るなど、難しさとやりがいを感じている。「胡蝶蘭は口に入るものではないので、産地にこだわる消費者は少ないと思います。だからこそ、美浜町といえば、和歌山といえば胡蝶蘭といわれるように、紀の国ホワイトをもっと知ってもらい、ブランド化していきたい。美浜町を盛り上げていくことにつなげていきたい」と話している。