種植え作業をする子どもたち

 製炭士でつくる紀州備長炭SDGsの会(入口誠会長)が6日、三百瀬小学校で児童と一緒にウバメガシの苗を作るための種植えを行った。


 製炭業は生産過程で多くのCO2を排出することから、紀州備長炭SDGsの会は今年、ゼロカーボンを目指そうと日高川町を中心に製炭士10人が集まり発足。この日は、種植え体験を通して児童に特産の紀州備長炭や環境問題にも触れてもらうため、入口会長(平川)、入口望さん(同)、木村真也さん(三十木)が訪れた。


 入口会長は児童に紀州備長炭やウバメガシの苗を見せ、ウバメガシを焼いて備長炭を作ることを説明。SDGsや環境問題についても簡単に紹介し、「炭焼きをするとたくさんCO2を出しますが、木を育てれば出したCO2を吸収し閉じ込めてくれます。一緒に木を育てましょう」と呼びかけた。


 この日行ったのは、ウバメガシの森づくりのために植林する苗を育てるための種植えで、給食で飲んだ200㍉㍑の牛乳パックの底に小さな穴を開けて事前に準備。27人の児童は4つの班に分かれて500個の牛乳パックに、細かい炭と土を順に入れたあと、種となるウバメガシのどんぐりを1つずつ埋めていった。児童会長の湯川礼琉さん(6)は、「どんぐりが種だと初めて知った。森づくりの元になる貴重な体験で楽しかった」と話していた。


 来年春には芽を出し、その後1年ほど育てた苗を山に植林する予定で、入口会長は「植林も子どもたちと一緒にできれば」と話していた。この取り組みは、早蘇中学校でも行われた。