日高川交流センターで、幼児から小学3年生を対象にぬいぐるみのお泊り冒険ツアーが行われた。


 子どもが大切にしているぬいぐるみを図書館に数日預けるイベント。ぬいぐるみ達が夜、人気の無くなった図書館で本を読んだり、遊んだりする様子を写真に撮ってプレゼントされる。子どもの想像力に寄り添い、図書館への親しみを深め、読書活動の促進を目的にしている。


 ネット上には各地で開催された写真が見られ、ぬいぐるみが本を選んでいたり、絵本を広げてみんなで読んでいたりと、かわいらしいファンタジーの世界にワクワクする。子どもたちにとっては、いつも大事にしているぬいぐるみだからより一層素敵な光景に映るだろう。中には、最後に写真を渡すだけでなく、SNSでリアルタイムに発信するところもあり、ぬいぐるみが布団から抜け出し、図書館へ向かうところなど随時アップされている。ぬいぐるみの不在で寂しい思いをしている子どももきっと楽しい気持ちになれる。


 イベントの完成度として最も大切なのはプレゼントする写真で、いかに楽しそうで、かわいらしく、子どもの想像力をかき立てられるかが腕の見せどころ。交流センターでは、子どもが連れてきたぬいぐるみを和室に寝かせて帰ったが、ぬいぐるみが眠れるように照明を抑え、オルゴールのようなBGMと天井を照らすプラネタリウムのようなライトなど凝った演出。また、参加募集チラシの持ち物に「ひとりでおとまりできるぬいぐるみ」と、ぬいぐるみ視点で書かれていた。主催者が子どもに寄り添い、丁寧に準備したことが伝わってきて、とても素敵だと思った。たくさんの子どもにこのワクワクを感じてもらいたい。(陽)