貫通した新しい切目辻トンネル(福井側)

 みなべ町清川と田辺市龍神村福井をつなぐ国道424号の新しい切目辻トンネル(仮称)の掘削工事が順調に進み、先月25日に貫通した。同町内での国道424号改良事業はこの区間を最後にほぼ完了。生活道路はもちろん、観光ルートや災害時の緊急輸送路として一層の利便性向上が期待されており、県では今後も電気工事などを進め、早期の完成・供用開始を目指していく。

 みなべ町内の国道424号は南道地内の国道42号を起点に南部川沿いを通り、福井との境界線まで延長約20㌔。これまでも各地で拡幅改良工事などが進められてきた。西本庄地内の通称「五味のカーブ」やこのカーブに続く「四郎橋」など、さらに地元から改良を求める箇所はあるが、新しい切目辻トンネルが完成すれば、全線がおおむね2車線化されることになる。

 今回、改良が進められている区間の国道は幅員が狭く、曲がりくねっており、清川と福井の境界をまたぐ旧の切目辻トンネルは幅員5・5㍍で乗用車同士は何とか対向できるが、観光バスなどの大型車両はトンネル口で待たなければならないなど不便な状況となっている。新トンネルは旧トンネル西に位置する延長829㍍、総幅員6・5㍍の2車線で、今年3月から、清川から福井側に向かって着々と掘削を進めてきた。

 総事業費は約35億円。設計は国際航業株式会社和歌山営業所、施工は三井住友・丸山・共栄JⅤ。日高振興局建設部道路課は「完成時期がいつというのはまだ言えないが、早期に完成させたい」としている。

 県では国道424号を「川筋ネットワーク道路」と位置付け、新トンネルから福井側も改良工事を進めている。