今年の「新語・流行語大賞」が1日発表され、年間大賞に「村神様」が選ばれた。プロ野球東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手が大活躍したことで広まったこの言葉。最近の私たちは、期待した以上のことをしてくれる人や、心配りの行き届いた対応をしてくれた人に対して「神!」と言うようになった。そりゃ苦しい状況を救ってくれる人が現れたら、「この人は神様か?」と思うのも無理はないかも。少し大げさだが、今まで上手く言い表せなかった思いを「神」という一単語で表せるようになり、その人に対する感謝の気持ちをライトに伝えることができるようになったのは、いいことなんじゃないかと思った。

 流行語トップテンには、関西人の口癖「知らんけど」もノミネートされた。確かに私もよく使う。会話の中で盛り上がったとき、何か知識を言ってやりたいと思い適当にばーっと話した後、「知らんけど」と付け加えてしまう。その知識が正しいか自信がない、でも言いたい。「知らんけど」はいわゆる保険みたいなものなのかもしれない。他の地域の人が冷静に見ると、自信の無い知識なんて言わない方がいいんじゃない?と思うだろう。だがその場を盛り上げたい関西人にとっては、とりあえず何かしら言っておきたいのだ。それがコミュニケーションのきっかけとなり、相手との距離感が近くなる場合もある。こうして全国に広まり、流行語にノミネートされたのも、コロナ禍で人とのコミュニケーションが希薄になり、人とのコミュニケーションを盛り上げる手段の一つとして便利な言葉として広まったのだろう。知らんけど。(鞘)