先日、インターネットで興味深いニュースを読んだ。福島県野球連盟が主催した小学4年生以下の軟式野球大会の記事だ。この大会は盗塁とバントは禁止、1イニング5得点で攻守交代という異例のルールが導入されたという。対戦チームの実力差が大きくて一方的な試合展開になるのを防ぎ、子どもたちに野球本来の魅力を実感してもらう目的。打撃、投球、守備に集中でき、思う存分に野球を楽しめたのではなかろうか。
筆者も四十数年前の小中学校時代、野球部に入っていた。小学時代も中学時代も1、2回戦で敗退するような弱いチームだったので、このルールの良さがとても分かる。強豪チームと対戦すると、アウトを取るのが大変で、守っている時間が異常に長くなることがある。少年野球では四球で出塁された走者に二盗を許すことが1イニングに数回起こってしまい、下手をすれば2桁の得点を奪われることもあった。そうなれば、勝つという気持ちが失せるどころか、野球そのものが楽しくなくなってしまう。
スポーツの語源は英語「sports」からの外来語。「sport」は「気晴らし」や「楽しみ」「遊ぶ」などを意味する「disport」が変化した言葉だという。しかし、現実は勝利至上主義の風潮が強く、子どものスポーツでも周囲の大人たちの中には勝つことに強いこだわりを持っている人もいるのではないだろうか。
競技には勝ち負けが付きまとうが、子どもの頃から勝敗を主眼に置くのはどうか。本当の勝負は大人になってからでも遅くないのではないかと思う。スポーツだけでなく、仕事、生き方なども含め、子どもの将来のために今、どう対応するのかを考えることが必要だ。(雄)


