ボランティアの派遣をシミュレーション

 県社会福祉協議会と県災害ボランティアセンターが主催する2022年度広域・同時多発災害対応訓練が26日、日高川町社会福祉協議会川辺本所などで行われた。

 県内複数の市町村が被災した場合、支援者や団体、県内の関係者が連携し、地域を超えた助け合い活動を展開し、各地域の状況に即した支援を迅速に届けることを目的に実施。紀中ブロックの社協を中心に県や各市町村の社協役職員、県災害ボランティアセンター協力団体、県ボランティア登録者ら140人以上が参加。午前の訓練は日高川町社協本所と日高川交流センターの2カ所をテレビ会議システムでつなぎ、同時に行われた。

 想定は、紀伊半島沖で震度7の地震が発生し、紀中の各市町が被災。津波により沿岸地域は家屋やライフラインに大きな被害が生じ、支援体制の構築や支援者派遣要請など対応を協議・調整。被害の小さかった日高川町に参集し、合同で生活再建・地域復興を目的としたボランティアセンターとサテライトを立ち上げる――。

 川辺本所では、参加者が3つのテントを建て、災害ボランティアセンターを設営。紀中ブロック社協の職員がボランティアの受付、オリエンテーション、活動支援が必要な被災者とのマッチングを行い、ボランティア役の人を土生八幡や特別養護老人ホームときわ寮川辺園などの被災想定施設に派遣。実際に派遣先で清掃などの活動を行い、センターに戻って報告するところまでをシミュレーションした。

 運営役は活動の留意事項の説明、活動内容の紹介や人数調整など実際の流れを再現し、登録から15分ほどでボランティア役を派遣先へ送り出していた。午後は交流センターに集まり、訓練を振り返る全体ミーティングが行われた。

 県市町村社協連絡協議会の会長でもある日高川町社協の林保行会長は「東西に長い日高川町の特徴に合わせた2会場で、実践に近い訓練が手際よくできた。万一に備え、一層心構えを新たにする実りあるものになった」と話していた。