かわいらしい赤い実と刈り取り作業をする中畑さん

 印南町の真妻地区で、鮮やかに色づいた特産の千両の収穫がスタート。正月用の出荷に向け、栽培農家では刈り取りや選別作業が行われている。

 JA紀州みなべいなみ花き部会千両部部長の中畑隆一さん(70)=印南町崎ノ原=の畑でも、24日から刈り取りを開始した。中畑さんは約25㌃の畑にネットで覆った千両小屋を建てて栽培。今年は、夏の暑さと乾燥で、実が少ないものもあるが、最近の昼夜の寒暖差で色づきも進み、上々の仕上がりとなった。

 JA出荷は来月7日から14日までで、関西を中心に各市場で開かれる千両大市に届けられる。中畑さんは「千両は木の天に実がつく縁起もの。大市に向けた出荷で収穫や選別に追われますが、部員一同、高品質な千両を届けられるよう頑張ります」と話していた。

 「真妻の千両」は、実と葉の色が濃く茎が細いのが特長。「繊細で美しいコントラスト」と市場で好評で、昨年から本格的に出荷を始めた丈の短い新規格「ミニ千両」も墓花やフラワーアレンジメントなどで需要が高くなっている。同部では、会員15人が約3㌶で生産。昨年は約700㌜、8万4000本を出荷しており、今年も昨年並みを見込んでいる。