任期満了に伴う知事選が10日告示され、政治団体「新党くにもり」前代表の無所属新人本間奈々(53)、元和歌山市議の共産党新人松坂美知子(66)、前衆議院議員の無所属新人岸本周平(66)の3氏が立候補。27日の投開票まで17日間の舌戦がスタートした。大きな争点はないが、各陣営では第一次産業や観光の振興、子育て支援、IR(カジノを含む統合型リゾート)の火種根絶などの公約を掲げ、力強く第一声を放った。     (記事は届け出順)

 本間陣営は当初の予定を変更して出陣式を行わず、立候補の受け付けを済ませた後、県民文化会館前の街頭演説で第一声を放った。

 公約に掲げているカジノ反対の立場について「『県議会で否決されたのでもう終わったのではないか』という人もいますが、まだカジノの火は消えていない。手続きが不十分だったので否決しただけで、国会議員のほとんどが推進している」と強調。反対している理由としては「犯罪の温床になりかねず、日本人や和歌山の県民性にそぐわない」と指摘した。今回の知事選についても言及し、「政治家が候補者を調整し、与野党相乗りという構図。自民党、維新、立憲民主も出ていない。これは選挙といえるのか。敵と味方も一緒になっている選挙。投票率の低下につながりかねない」と指摘した。

 このほか、農林水産業の推進、観光振興などについても考えを示し、「神が宿るような豊かな自然が残り、歴史のある和歌山に誇りを持つように訴えていきたい」と述べた。

 松坂陣営は和歌山市の南海和歌山市駅前で出発式を行った。集まった約100人の支持者らを前にマイクを握った松坂候補は、「この知事選は自民党、公明党政権が進める社会保障を切り縮めていく政治を受け入れる県政から、命や暮らしを第一に考える県政へと切り替える絶好のチャンス。県政の転換、切り替えを実現させていこうではありませんか」と第一声を放った。

 IRについて「今回の誘致は止まったが、県はカジノIRに関する業務を残している。私はこの火種を消して、カジノ誘致とはきっぱり手を切ります」と述べ、「地方自治体本来の仕事である住民の福祉の増進に専念し、暮らしを守り誰ひとり取り残さない県政を目指す」と主張。掲げている4つの転換を挙げ、消費税減税、最低賃金の引き上げ、高卒までの医療費無料化、農林水産業の振興、男女の賃金格差の是正などを訴えた。

 この日は和歌山市を中心に街頭演説などを行い、日高地方入りは16日となっている。

 岸本陣営は和歌山市美園町のJR和歌山駅前で出陣式を行い、県内の市町村長や議会議員、支持者ら約500人が参集。選挙対策本部長の尾花正啓和歌山市長が「県民の生活を守り、県を発展させられるのは豊富な経験と実行力、熱い思いを持った岸本候補しかいない」とあいさつ。仁坂吉伸知事、自民党の二階俊博衆議院議員、鶴保庸介参議院議員、世耕弘成参議院幹事長らも圧勝へ一致団結を誓った。

 岸本候補は「県政の発展のため、農林水産業の振興に思い切って力を入れ、白浜空港やワーケーション、ロケット発射場を生かした観光も進めたい。第一次産業と新しい観光産業を車の両輪にして、その上に子育て支援も乗せたい。小中学校の給食費や医療費の全県無料化、子ども食堂の充実に取り組み、和歌山に行けば子育てしやすいという環境をつくって人口減少に歯止めをかける」と意欲。

 最後に青年部のガンバローコールで必勝を期し、街宣に繰り出した。