任期満了に伴う知事選が10日、告示される。前衆議院議員の無所属新人岸本周平(66)、政治団体「新党くにもり」前代表の無所属新人本間奈々(53)、元和歌山市議の共産党新人松坂美知子(66)の3氏が立候補を予定。12年ぶりに三つどもえの構図で、27日の投開票まで17日間の舌戦に突入する。

 知事選に向けては岸本氏が今年5月に出馬表明し、これまで活動を展開していなかった紀南を中心にあいさつ回りなどを行ってきた。6月には現職の仁坂吉伸氏が今期限りの引退を表明。岸本氏は自民党の推薦を巡って紆余曲折もあったが、最終的には自民はじめ国民民主、立憲民主の各党本部や社民党県連、県市・町村会、連合和歌山、各種団体など約300件の推薦を受けて盤石の態勢で臨む。10日の出陣式は午前10時から和歌山市のJR和歌山駅前で行う。

 本間氏は、カジノの火を完全に消すことなどを公約に掲げて9月に出馬を表明。以後、県内の各地で街宣活動を実施するとともに、その様子を動画投稿サイトYouTubeに投稿。知名度のアップや自身の政治に対する考えなどをアピールしてきた。告示日当日は県庁で立候補の手続きを済ませ、和歌山市の竈山(かまやま)神社で必勝祈願を兼ねて出陣式。その後、和歌山城で第一声を放つ。

 松坂氏は先月、立候補を表明。当初、共産党は前回までの選挙と同様に「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が擁立する候補者の推薦を予定していたが、つくる会が擁立を断念し、共産党が独自候補を立てた。これまで県内北部を中心に南は田辺まで回り、「くらしを守る」「農林水産業の振興」「子育て・教育」「ジェンダー平等」の4つのチェンジを中心に訴えてきた。出発式は10日午前9時から和歌山市の南海和歌山市駅前で行う。