プロ野球はシーズンが終了し、各球団の大物選手のメジャー挑戦、FA移籍などが話題となるなか、20日からはいよいよサッカーのワールドカップがカタールで開幕する。
 W杯で思い出すのは、カタールの首都ドーハで行われたアジア最終予選の日本対イラク戦。日本は終了間際まで2―1とリードし、初の本戦出場に王手をかけながら、ロスタイムで追いつかれ、まさかの予選敗退に終わった。


 あれから29年。もうそんなに時間がたったのかと驚くが、この間、日本は着実に力をつけてきた。あの悲劇の地に再び乗り込み、ドイツ、スペインと戦うグループリーグ突破は厳しいが、暗い日本が歓喜に沸き返る快進撃を期待したい。


 日本人も大いに盛り上がるW杯。とくにヨーロッパの人はさぞかしテンションが上がっていると思いきや、イギリス出身の知人の顔はなぜか浮かない。サッカーはもちろん大好きなのだが、理由を聞くといろいろあるという。


 一つは開催時期。W杯は毎回、真夏に本戦が行われるが、今回は開催地の気候を考慮して、異例の秋から冬にかけて。日本は寒くなる時期でも、現地はちょうどいつものW杯の暑さになるのだろう。この体感温度のズレが大きく、コロナの流行、ウクライナ危機も気持ちが上がらぬ要因で、何よりもカタールという国家に対する不信感が大きいのだという。


 初の国政選挙が行われたのはつい1年前、同性愛は死刑になる可能性があり、競技場建設等に集まった外国人出稼ぎ労働者の不審死の異常な多さも。母国イングランドを応援しつつも、こうした人権意識の欠如した国で開かれることに気分がモヤモヤするらしい。たしかに、日本のメディアからは見えにくい側面である。(静)