保健指導を行う寺本さん

 県内で長年にわたり活躍した保健師や看護師らの功績をたたえる県の2022年度ナース章の受章者が発表され、県内で14人、うち日高地方からは田辺市の紀南病院で助産師として働く寺本りかさん(59)=みなべ町山内在住=が選ばれた。37年間にわたり産婦人科一筋に、安全、安心な出産、育児に向けた取り組みに尽力している。

 寺本さんは、南部高校を卒業して紀南看護専門学校に入学、看護師資格を取得したが、3年生の時に分娩の実地見学で生命の誕生に立ち会える尊い助産師の仕事に感動して、助産師になることを決意した。同専門学校を卒業して1984年4月から紀南病院の産婦人科で働き始めたが、病院側の理解を得て一度退職。1年制の大阪府立助産婦学院で学んで助産師資格を取得、再び86年から同病院に復帰し、2004年4月から産婦人科外来主任、16年4月から4階東病棟(産婦人科)師長となり、現在に至る。

 「常に母子に寄り添って」をモットーにこれまで数多くの分娩に立ち会い、多い時は年間800件、24時間のうちに10件の出産もあった。生まれた女の子が母親になって再び出産に来てくれたこともあり、助産師の仕事に大きな喜びとやりがいを感じた。中には生まれた後、具合が悪くなる赤ん坊もおり、そういった時に母親とどう向き合うか、その対応が一番難しいという。また、病院での妊婦への保健指導を導入し、11年からは助産師が妊婦の検診や保健指導を直接行う助産外来も開設。紀南看護専門学校や熊野高校、県立医科大学などの学生の実習受け入れにも協力している。

 受章には「ご指導いただいた諸先輩方はじめ同僚、友人、家族の支えがあったからこそ。私自身、多くの学びと感動をいただき、成長させていただきました。妊娠期から育児に至るまで切れ目のないケアを実施していくために地域の助産師とも連携していくことが必要で、今後も母親が笑顔になれるよう研さんを積んでいきます」と話している。

 表彰式は21日、県庁で行われた。