紀南コース2年目の運行がスタートしたJR西日本のWEST EXPRESS 銀河。今年は運行本数も増やし、京都―新宮駅間を週2回往復する。

 運行スタートの前日にあった試乗会に参加し、すべての車両を見せてもらったのだが、ゆとりある座席シートの並びや、美しい景色を楽しめる大きな車窓など、長い列車の旅を楽しめる細かい配慮やデザインが随所に散りばめられており、まさに「走るホテル」。沿線自治体の完全協力で観光コンテンツも充実、同社の列車に対する熱い意気込みをまざまざと感じさせられた。コロナも少しずつ落ち着き、観光の起爆剤になってくれることを大いに期待したい。

 銀河はかつて大阪―東京駅間で運転されていた寝台急行に付けられていた名前で、その歴史は深い。1949年に運行を開始し、多くの旅行者やビジネスマンに愛された。その後、新幹線の登場や高速道路の発達で乗車人数が減少。その煽りを受け2008年、長い歴史に幕を下ろした。それから寝台列車の運行は少なくなり、定期的に運行されているのは東京から山陰・山陽地方を結ぶ「サンライズ出雲」「サンライズ瀬戸」のみになってしまった。

 現代の交通機関はいかに目的地に早く到着できるかに重きが置かれ、その行程の旅情を楽しむという目的が薄れてしまったような気がする。そんな楽しさをWEST EXPRESS 銀河は思い起こさせてくれるし、先代銀河のスピリッツを引き継ぎ、寝台列車の新たな魅力を伝えてくれている。銀河をきっかけに、寝台列車がまた至る所で走るようになったらなと思う。(鞘)