外来カミキリの防除対策を説明

 県のクビアカツヤカミキリ対策研修会が5日、みなべ町生涯学習センターで開かれ、農業者や行政関係者ら約50人が参加した。

 県果樹試験場うめ研究所主任研究員の菱池政志氏らが県内の被害状況、防除対策、県の支援策などを説明。外来カミキリの一種であるクビアカツヤカミキリの幼虫はモモ、ウメ、サクラなどの樹木内部を食害し、県内では2019年11月中旬にかつらぎ町のモモ園で被害が初確認されて以降、爆発的に増えて橋本市、九度山町、紀の川市、岩出市、和歌山市の紀北で拡大。今年6月下旬で266地点876本の被害があるという。

 被害の目印となるのは、糞や木くずが混ざったミンチ状、または棒状のフラスが木の周辺にあることで、ほとんどは幹や太い枝に入っていくが、比較的細い直径5㌢程度の枝も食害する場合があり、注意が必要。発見した場合は振興局やうめ研究所など関係機関に連絡するとともに、食害された木の部分の皮をはぎ取り幼虫を捕殺、樹木をネットで被覆、殺虫用の薬剤の樹幹注入、伐採などの対策を取るよう求めた。

 成虫は6月から8月までの正午から午後3時頃まで活発に動いており、防除薬剤も一定の効果は期待されるが万全ではないとし、来場者から「簡単に防除できる方法はないのか」との質問には「現状ではない。とにかく早期発見、早期対策が重要」と強調。「紀南ではいまのところ被害は確認されていないが、車や電車など人の経済活動に伴って移動し、ある日突然こんなところに、という場所で発生する。紀南でも最大限の警戒を」と呼びかけた。