燃え盛る民家に懸命の放水を行う消防団員ら

 15日夜、日高町萩原で高齢の夫婦が住む民家が全焼する火災があり、火は約2時間後に鎮圧されたが、焼け跡から性別不明の1人の遺体が見つかった。夫はすぐに逃げて軽傷の見込み。妻と連絡が取れていないことから、亡くなったのは妻ではないかとみて、御坊署が遺体の身元や出火の原因を調べている。

 現場は萩原集会所の西約100㍍、国道42号から県道日高印南線を東進し、踏切を渡って左手に見える男性(72)宅で、午後6時23分ごろ、通りかかった人や近くの住民が火事に気づいて119番通報。日高広域消防や地元消防団、御坊署から合わせて20台以上、約100人が出動した。

 畑に囲まれた男性宅は木造平屋約200平方㍍で、すぐ南側に木造の倉庫(約30平方㍍)があり、消防が四方から懸命の放水活動を展開。火は8時21分に鎮圧、9時50分に完全に消し止められたが、家屋と倉庫をいずれも全焼した。

 男性は妻と2人暮らしで、男性は御坊市内の病院に搬送され、頭や腕に軽いやけどの模様。一方で出火当時から妻の行方が分からない中、鎮圧から約30分後の8時48分に現場で1人の遺体が発見された。

 火災を目撃した住民らによると、火は勢いよく燃え上がり、黒い煙をもうもうと上げながら、倉庫から家屋に延焼。現場周辺には多くの人が集まり、一時騒然となった。

 すぐ近くに住む女性は「初め倉庫が燃えていると思ったら家からも炎が上がって。すごく火の手が早かった。怖かったです」と表情をこわばらせ、町内放送を聞いて駆けつけたという女性も「奥さんに世話になっていて…」と声を詰まらせていた。

 御坊署と日高広域消防は合同で翌16日朝から現場を調査。出火原因を調べている。