静岡県で認定こども園の送迎バスの中に3歳の女の子が置き去りにされ亡くなった事件から10日以上が経った。ニュースを見て胸を痛めていても、それは遠く離れた場所の出来事。日常に戻れば事件があったことはすぐに忘れてしまっていた。こちらはもう10日以上経ったのかと感じていても、大切な子どもを亡くした家族や子どもの保護者らは長く辛い日々を送ってきたのだろうと思うし、その想いは消えることはない。結果として、大切な命を奪ってしまった園の関係者には家族の悲しみ、苦痛に向き合い、心からの謝罪、対応を願う。

 同様の事件は過去にもある。去年も福岡県の保育園で5歳の男の子が約9時間置き去りにされ熱中症で亡くなっている。同じようなことがつい1年前にも起こっているのに、なぜ繰り返してしまうのか。報道を見ていると、子どもの送り迎えがどうも流れ作業的な感覚で行われているようにしか思えなかった。会見での園長の「運転に慣れていなかった」という言葉が表していると思う。人の命を預かっている以上、慣れている・いないは論点にはならない。

 ニュースでは、緊急保護者会の音声が流れていた。父親と思われる人物が「子どもは暑くてたまらなくて上半身の服を脱ぎ、水筒のお茶を飲み干していた」と涙ながらに訴え、周りの保護者が泣き叫んでいたのが衝撃的だった。もし自分がその場にいたら辛くてたまらないし、園に対し恐怖を抱くだろう。

 ニュースは当事者にならないと分からないことがたくさんある。当事者の目線で考え行動していくことが、この仕事にとって必要なことだと考えさせられた。(鞘)