
1918年(大正4)に操業が開始された関西電力㈱高津尾水力発電所で築104年になる赤れんがの建屋が、老朽化を理由に来年度中に取り壊される方向で調整が進められている。すでに地元の尾曽地区や町には通知されており、これを受けて開会中の町議会9月定例会一般質問で、原孝文議員が久留米啓史町長に解体の中止と保存を働きかけるよう求めた。
高津尾水力発電所は、1918年に当時和歌山市にあった和歌山水力電気㈱が操業。電気事業再編で51年からは関西電力に引き継がれている。築104年になる建屋は、英国から輸入されたれんがを使い、イギリス積みというれんがの積み方やアーチ状の窓など英国の建築様式で建てられた建物。川と山の間に佇む姿が美しく、地元住民に親しまれてきた。発電所としては97年に役目を終え、99年に南側に完成した新高津尾発電所が稼働する中、事務所として活用されていたが2015年には無人となり、特に利用用途がなくなっていた。
関西電力は、「建築以来、耐震補強等をこれまで行っておらず、今後懸念される南海トラフ巨大地震で倒壊の恐れがあり、隣接する変電設備への被害が懸念される」として、来年度中に解体する方向で調整を進めており、地元区と町にこれを報告。「区長さんを通じて、地元の皆さんの理解を深めていきたい」と話している。
13日に行われた議会一般質問では、原議員が「日高川のシンボルとも言える建物で、地域の暮らしと共に歩んできた歴史はまさに第一級の文化財。地元住民や文化活動に携わる方々から、なんとか存続できないかと多数の声が寄せられている」として、文化財指定するなど町として交渉を持ち早急な対策を求めた。久留米町長は「まずは地域の皆さんが一丸となり強く要望していただく必要がある。その上で可能な限りサポートしたい」と答弁した。

