魚釣りはターゲットに合わせ、仕掛けや釣り方を変える。その中でも独特なのが古来から日本に伝わるアユの友釣り。野アユが縄張りを持つ習性を利用し、おとりアユに掛針をつけて進入させ、それに対して野アユは追い払おうとして体当たりしたところを引っ掛ける釣法。
小学校高学年の時、近くを流れていた川で初めて友釣りでアユを釣った。釣り糸に付けた目印が走り、手に伝わってきた魚信。取り込むときれいなアユの姿があった。その感動が忘れられず、以来、夏が来るたびに友釣りに没頭した。車の運転免許を持った20代からは生まれ育った町の川だけでは飽き足らず、日高川へ通い始め、休みになれば水辺から竿を伸ばした。しかし、この仕事を始めた頃から日曜日も丸一日休めないことがあるため、アユ釣りから遠のいていたが、今年、約25年ぶりに復活。龍神や支流の寒川で友釣りを楽しんだ。
久しぶりの日高川でのアユ釣りは当時と変わらない。川のせせらぎが心地いいし、透き通ったきれいな水の流れが夏の暑さを和らげてくれた。アユが掛かった瞬間も当時と同じように心が踊った。日高川が持っている自然の魅力をあらためて感じた。だからこそ、大阪や京都などの遠方からも釣り人が訪れるのだろう。
御坊市は藤田町吉田から藤井までの日高川右岸側約3㌶の利活用を検討している。日高川の歴史的・文化的な環境資源を最大限に生かし、にぎわいの場を創出することが目的だ。利活用事業を通じて大勢が川の魅力に触れ、河川敷で親しむようになればと思う。日高川には人を癒やして包み込むポテンシャルが十分にある。(雄)


