印南町印南、岩津定和さん(80)の畑で「幻の果実」といわれるポポーが収穫されている。

 ポポーは北米原産の果物。果肉は甘く、マンゴーとプリン、バナナを合わせたような味わいで「森のカスタードクリーム」と呼ばれているほど。傷むのが早く市場に流通しづらいことから幻といわれる。8月中旬ごろから果樹に実をつけ、熟して落ちた実を拾って収穫する。岩津さんは約15年前から栽培しており、町内で唯一の生産者。実をつけるのが難しく、栽培を始めて10年目でやっと実がなり、現在は3本栽培している。日持ちしないので畑から車で5分ほどの印南サービスエリアの売店にしか卸しておらず、毎朝20個ほど納品するとその日のうちに完売してしまうという。

 岩津さんは「週末は台風が近づくので、収穫できるのもあと少し。試すのはお早めに」と話している。