県内の新型コロナ感染状況をみると、第7波が始まったとされる今年6月下旬から8月23日までの約2カ月で感染者数は約5万人。オミクロン株の変異株「BA・5」の感染力がいかに強いのか分かる。気になるのは毎日のようにコロナによる高齢者らの死亡が出ていること。死亡率で言うと低下しているそうだが、全体の感染者数が増えれば増えるほど、低確率ながら死亡者が出てくる。確率的にみて死亡者数を減らすには、全体の感染者数を減らすことが一番大切なのだが…。
ただ、現状では経済活動と感染対策の両立が求められており、以前のように緊急事態宣言などによる行動制限は行われていない。「年寄りは死んでもいいのか」…当然そんなことはありえないのだが、いまのコロナ対策では高齢者らの一定の犠牲を黙認しながら、経済を回しているようにも感じる。
岸田総理はコロナの全ての感染者を届け出る「全数把握」を見直し、高齢者や重症化リスクの高い人に限定する方針を発表。これにより高齢者らへの医療が集中的にできるようになり、助けられる命もあるだろう。半面、感染者数が把握できなくなることでさらに全体の感染者が増え、結果的に高齢者らの死亡者が一定割合で増加することになるという、もろ刃の剣になりはしないかと心配する。全数把握の見直しは自治体の判断に任すと言っていたが、自治体への責任転嫁の姿勢に批判を受け、すぐに一律で見直しの方向に変更、コロコロ変わる方針には頼りなさを感じる。一方、仁坂知事は国が何と言おうと全数把握を堅持する考え。どちらがいいのか、いずれにしても慎重な対応が求められる。(吉)


