天文公園に設置されたピアノと紀央館高校美術部のメンバー

 日高川町のかわべ天文公園に14日、誰でも自由に弾けるストリートピアノが登場。ピアノには、紀央館高校の美術部員がペイントしたたくさんの星が輝き宇宙が表現されている。

 かわべ天文公園には10年ほど前から、廃校になった学校から運び込まれたグランドピアノがあり、以前はミニコンサートなどが行われていたが最近は特に使われていなかった。原聖志支配人は、ストリートピアノとして活用したいと考え、誰でも気軽に弾いて音楽とアートに触れてもらおうと紀央館高校美術部にピアノのペイントを依頼した。

 原支配人から「宇宙」をテーマにとの依頼があり、5月下旬から10人の部員で本格的に制作開始。漆黒のピアノを宇宙の闇に例え、太陽や月とたくさんの惑星をカラフルなアクリル絵の具を使って丁寧に描いた。屋根と呼ばれる開閉式の大きなふたの内側は、地球側から見た目の覚めるような青空と輝く雲を描いてアクセントにした。小さな星に見立てた無数の点を全体的に描き入れ、華やかに仕上げた。

 朝間千翔(ゆきと)部長(3年)は「青空を描いたところは、水色で下塗りするなど工夫しました。いい経験になりました」と話し、坂成海副部長(2年)は「きれいにかわいく仕上がったのでみんなに弾いてもらいたいです」と笑顔を見せていた。

 この日、ピアノを見て原支配人は、「想像以上の素晴らしい作品。全国レベルの美術部の生徒さんに協力してもらえてよかった。多くの人に来館いただき、気軽に弾いてもらえれば」と話していた。

 フロント横に設置されたピアノは、水~日曜の午前10時から午後3時の開館中は誰でも弾くことができる。