「特選 紀和美」 のラベル

 県中型まき網連合会は、紀伊水道周辺海域で漁獲された良品のマアジ(ヒラアジ)、マサバ、マルアジを「特選 紀和美(きわみ)」として出荷する。魚の大きさのほか、脂ののり具合を測定器などを使って調べ、独自の基準をクリアしたよりすぐりのブランド品。ラベルを付けて出荷し、認知度や取引価格の向上につなげる。今月旬を迎えるマアジからスタートする。

 3魚種とも主にまき網漁法で水揚げされ、一般の家庭の食卓にも上ることが多い大衆魚。紀伊水道で漁獲されるアジ、サバのおいしさを消費者に知ってもらい、販路の拡大につなげることが狙い。


 県中型まき網連合会は、日之岬漁業株式会社(日高町阿尾)、有限会社協栄漁業(御坊市塩屋町南塩屋)、株式会社土佐丸(田辺市江川)の3船団が加盟。2020年、連合会のほか、紀州日高、比井崎、和歌山南の3漁協、関係市町などで特選出荷協議会を発足させ、ブランド化に向けた取り組みを進めてきた。ブランド名は「紀和美」とし、今年4月に商標登録。特選魚は脂ののり、身の締まり、鮮度のよさなどが特長で、選別は魚の脂質やサイズを測定し、合格した漁獲物だけにラベルを付けて出荷する。


 1匹の重さはマアジが200㌘以上、マサバが600㌘以上、マルアジが260㌘以上とし、脂質については簡易測定器などで測定する。期間についてはマアジが7月から12月まで、マサバが8月から12月まで、マルアジが10月から3月までとし、それぞれの旬の時期に水揚げされた魚に限定する。


 今後はシールなどの販売促進資材を充実させていく考えで、同連合会は「販路拡大、知名度アップを図り、よい魚を安定価格で取り引きできるようにしていきたい」と話している。