左から綱島教授、東さん、北風幸一校長

 電気化学、電気・電子材料を中心とする材料科学で、独創的な研究を行う意欲をもつ若い研究者に交付される2022年度加藤科学振興会研究奨励に、和歌山高専専攻科エコシステム工学専攻2年生の東さくらさん(指導教員=生物応用化学科・綱島克彦教授)が選ばれ、6月24日に都内で開かれた贈呈式で受領した。

 この奨励は、明治から昭和にかけて電気化学分野の学術、産業界で活躍した加藤与五郎博士の業績を記念し、公益財団法人加藤科学振興会が若い学生の研究活動を奨励、支援するために創設された。22年度は全国で25件が選ばれた。

 東さんの研究テーマは「非対称ホスホニウム塩をゲストとする準包接水和物の創製と超分子型誘電体への応用」で、蓄熱材料として知られている準包接水和物に、誘電体(コンデンサー)の機能を組み合わせ、これまでに例のない新しい蓄エネルギー材料の開発にチャレンジする内容。交付者のほとんどが大学院生の中、数少ない専攻科生として見事に採択された。

 東さんは「自分の研究提案が評価され、大変うれしいです。いただいた奨励金を研究活動に有意義に使用させていただき、今後もさらに研究を発展させたいです」と意欲を見せている。