23日の会見で知事選への立候補を表明した衆議院和歌山1区選出の岸本周平氏(65)=当選5回=は、自身の政治姿勢や仁坂県政、IRへの思いなどについても語った。

 自身の衆議院議員としての活動には「私はこれまで17年間、辻立ちというスタイルでやってきた。人の話を聞くのが好き。路地裏を歩き、スーパーで自転車のおばちゃんの話を聞いている」とし、「2区、3区でも一人でも多くの人にお会いして、ご意見を聞きたい」と意欲を示す。

 仁坂吉伸知事には「歴代の知事がいて、仁坂県政が積み上がっており、いろんな意味で立派にされている。特に批判するところはないが、コロナですごく世の中が変わった。いままでとは全く違うパラダイムとなり、行政もこれまでの延長線上では対応できない」と指摘。「飲食業やサービス業など傷つかれたたくさんの企業や個人の方々に寄り添い、新しい視点で仕事をしていかなければならない。ロシアのウクライナ侵攻で地方も大きな影響を受け、サプライチェーンのあり方も変わる。これまでの考え方が全く通用しないという意味での刷新をしたい」とした。

 4月の県議会臨時会で否決されたカジノを含む統合型リゾート(IR)には、「私の支持者には賛成も反対もおり、私は中立の立場。今回のIRは終わった話だが、また国が公募するということもありえる。その時はまさにウィズコロナ、ポストコロナでIRをどうするのか、県民の意見を聞きながら考えるということはありえると思う」。IRに代わる景気浮揚策には「魔法の杖があってどんと降ってくることはない。小さなことでも県民がやりたいことを応援、積み重ねることで活性化することが、地道だけど一番ではないか。和歌山の若い起業家がもっと活躍できるよう応援し、高齢者ら弱い立場の人にも寄り添い支援、この二枚看板でやりたい。いろんな方のお話を聞いて、何かわくわくドキドキするようなプロジェクトをしたい。国政で法律をいじるやり方もあるが、知事として地方から国を変えることもできる」と意欲をみせた。