作品と賞状を手に松下さん

 みなべ町埴田のイラストレーター松下恭子さん(43)のオリジナルの紙芝居「まめたとキツネさま」が、高知県いの町にある紙の博物館主催の手づくり紙芝居コンクールで同博物館長賞を受賞した。みなべ町の特産でもあるウスイエンドウとキツネの神様が一緒に妖怪退治をするユニークな物語で、新型コロナが一日も早く終息する願いも作品に込め、審査員から高い評価を受けた。

 書類審査を勝ち抜いた13人が今月20日に同博物館で行われた本選で実演し、入賞作品を決めてその場で表彰式も行われた。

 松下さんは同コンクールに初応募。以前から、みなべ町特産で自身が大好きな野菜でもある豆を主役にした紙芝居を作りたいと思っていたことから、応募に際して作品づくりに取り組んだ。稲荷神社のキツネの神様とウスイエンドウのまめたが主人公。キツネの神様が口にはさんでいる丸い玉が、いなりずしを食べている時に隣の畑に転がって、まめたのおなかの中にすっぽり。何とか取り出そうとしたが抜けないため、まめたを背中に乗せたまま一緒に妖怪退治することに。冷たい風を吹いて寒くして、春をこさせないようにする妖怪「百いらず」と対峙。キツネさまの丸い玉は願いを叶えられる力があり、まめたの力も合わせると玉から豆のつるが伸びて鈴がなり、風を吹きかけるといい音が鳴るようになった。百いらずは面白くなって息を吹きかけながらどこかへ退散するという楽しい内容になっている。かわいいイラストと内容もマッチしており、上から4番目の賞に選ばれた。

 松下さんは「豆が活躍する話を書きたいと思っていて、形にできたことと、すごく楽しい気持ちで描けたことがよかった。物語を評価していただいたこともうれしいです」と喜んでいた。