熱戦が繰り広げられている第94回選抜高校野球で、第5日の第3試合に登場した丹生(福井)。日高川町の母校(中学校)と名前が同じで、21世紀枠で初出場を決めたときから注目していた。試合には残念ながら敗れてしまったが、甲子園のバックスクリーンやナインの胸に「丹生」の文字。親近感いっぱいで応援した。ちなみに野球部だった筆者の中学時代のユニホームは「丹生中」のアルファベット表記。父親の時代は「丹中」だったそうだ。

 2校の読み方はいずれも「にゅう」。丹生高校は福井県丹生郡にあり、丹生中学校があるところはかつて丹生村だった。一方、かつらぎ町の丹生都比売神社は「にふ(にう)つひめじんじゃ」のようだ。インターネットで調べると、丹(に)は鉱物の辰砂(しんしゃ)のこと、丹生は丹が採取される土地のことを言う。辰砂は水銀を含む鉱石鉱物で、神社等の赤色塗料の防腐剤として、また水銀にして仏像のめっきに使われる材料。丹生村をはじめ、全国各地に丹生と書く地名があり、また、読み方は地域で異なる。

 調べてみると、和歌山県内で丹生が付く地名は、印南町丹生や有田川町丹生があり、印南町は「にゅう」、有田川町は「にう」。県外では福井県丹生郡のほか、山形県尾花沢市丹生、福井県美浜町丹生、大分県大分市丹生は「にゅう」だが、三重県多気町丹生や奈良県下市町丹生は「にう」のよう。中学や高校時代、「たんせい」「たんなま」と呼ばれたり、「なんて読むん?」と言われたりしたことがある。丹生高校には夏も甲子園に出場してもらい、さらに丹生の名が全国に知れ渡ってくれれば。

(笑)