施設1階に展示されている災害パネル写真

 11年前の東日本大震災発生に合わせて御坊署は、御坊市のオークワロマンシティ御坊店で大規模自然災害のパネル写真を展示している。

 御坊警備対策連絡協議会の協賛で、震災の記憶の風化を防ぎ、大規模災害に対する住民の危機意識高揚を図ろうと実施。2011年3月11日の東日本大震災をはじめ、1995年1月17日の阪神淡路大震災、2011年9月の紀伊半島豪雨、21年7月の伊豆山土砂災害での県警の活動や被災地を記録した写真計25枚を展示しており、「ひとたび災害が発生すれば、あなたの見慣れた風景がこの写真のようになってしまうと考えてみてください。このような状態になってからでは避難できません。命を守るためには何よりもまず早めの避難を」と訴えている。

 「想定にとらわれるな」「最善をつくせ」「率先避難者たれ」の「津波避難三原則」も掲示。「南海トラフ巨大地震が発生した場合、県内の死者数は9万人になるともいわれています。一人ひとりがどれだけ災害に備え、自分の命を守る行動をとれるか、それだけがこの数字を減らせる方法です」と呼びかけいる。

 同署警備課の藤田和也課長は「大規模地震は30年以内に70~80%の確率で発生するといわれていますが、いつ起こるか分からないので、これらの写真を見て危機意識を高めてもらえれば。早めに行動し、助かる命は助かってほしい」。10年半前に紀伊半島豪雨の被害を目の当たりにしたとう日高川町の30代男性は「大規模な災害に対して備えが必要。逃げるしかできない。その先のことも準備しておかないといけませんね」と話していた。