JA紀州の営農指導員研究活動成果発表大会が開かれた。

 営農指導員の資質向上と地域農業の振興を目的に、合併後毎年行われており、生産者の所得向上と農業生産の拡大などを図るため、営農指導業務に携わるJA職員が野菜、花、果樹などの調査、研究の活動成果を発表している。JAグループ和歌山やJA紀州の役職員と県暖地園芸センターの所長など、各分野で農業振興に携わっている人が、実用性、着眼点、データ性、発表力などを審査し、最優秀賞などが決まる。

 毎年さまざまな発表があり今年は15人が、ニンニクやオクラなど新品目の産地化を目指した研究や、病害虫に有効な防除研究、収益アップや高い品質での安定生産のための調査などについて発表した。

 最優秀賞に決まったのは、ミカンの害虫防除剤の試験結果をまとめた日高川営農販売センターの近田勝紀さん。柑橘類の幅広い害虫駆除に使用されている薬剤が来年10月で製造中止になることから、複数の薬剤の散布試験を行い、費用対効果が高い代替え剤を選定した。審査員からは「現状に合った問題点に着目し、精度の高いデータと経費・経営などを考慮した組合員の立場に立った試験」と高く評価された。

 発表大会は県、近畿と続いており、近畿ブロックでトップになると8地方の最優秀者が集まるJA営農指導実践全国大会に出場できる。今年度で6回目となったこの狭き門に、JA紀州からは3大会に出場し、一度は最優秀賞も獲得。いちJAからこれほど多く出場しているところは他になく、産地の活性や生産者の所得向上など、熱い思いを持って、農業に向き合うレベルの高い指導員がいることを証明しており、生産者も心強いことだろう。

(陽)