赤線内が統合中学校の建設予定地(写真上が宇杉ケ丘団地)

 印南町立中学校統合委員会は3日、日裏勝己町長に対して、統合中学校新校舎の建設予定地として印南地内の宇杉ケ丘団地東エリア(面積7・5㌶)が適地であるとする答申を行った。地権者の協力や高台、広い用地面積確保などの条件から総合的に判断。町は今後、用地取得、造成、新校舎建設などを経て、2027年4月の開校をめどに取り組んでいく。

 町内には現在、印南、切目、稲原、清流の4中学校があり、20年9月に教育委員会、昨年5月に町立中学校適正規模検討委員会がいずれも「1学年で2学級編成ができるよう4中学校を1校にすることが望ましい」「土砂災害、津波浸水域を解消するために安心・安全な場所へ校舎を新設することが望ましい」との方針を確認。町も統合推進の姿勢を示している。中学校統合委員会では昨年11月、新校舎の建設候補地を印南エリアにすることを決め、絞り込んできた。

 建設予定地は宇杉・光川地区にまたがる農地と山林。北側には高台移転された役場もある。土地所有者は43人。答申では森川要委員長が「地権者の協力がある、広い土地が確保できる、災害に強い場所である、造成が可能であるなど、多くのことを議論して建設予定地が決まった。将来の町を担う子どもたちにとって、統合は教育行政の極めて重要な施策」、日裏町長が「慎重審議をいただき感謝している。結果をもとに一日も早く進めたい。費用もかなりかかるが、子どもたちの育成のため頑張りたい」と述べた。

 町では22年度中に予定地の開発許可と林地開発許可とともに、用地取得へ地権者の協力を求めていき、早ければ23年度から造成に着手。建設工事は25年度頃からを見込んでいる。統合委員会では開校に向けて引き続き校舎の規模や施設内容、校名、校章などを検討していく。