兄弟フォークデュオ「ビリー・バンバン」の菅原進さん(74)と、妻で御坊市出身の知子さん(49)=旧姓中村=が、3月4日公開の「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021」の挿入歌「ココロありがとう」を作曲した。兄弟愛をテーマにした楽曲で、映画に先立ち3月2日に発売される。誰かと手を取り合えば困難もきっと乗り越えられる、明るい未来を願って夫婦で曲を作り上げた。
映画は、1985年に公開された作品を新たな脚本と現代の技術を駆使した3DCGで描いたシリーズ最新作。主題歌はOfficial髭男dismの「Universe」。挿入歌の作曲は、2020年、ビリー・バンバンの50年コンサートが終わったあとに依頼があった。夫婦で相談しながら数日で完成させた。知子さんは子どものころ、父から「ごめんなさい」と「ありがとう」をきちんと言えると生きていけると教えられており、「(作詞の)松井五郎さんの詩はまるで父の教えのようで、見てすぐにメロディーが浮かびました。言葉一つひとつを大切に仕上げました」と作曲の舞台裏を明かす。「コロナ禍で、それまで当たり前だったことが当たり前ではなくなり、多くの人が大変な思いをしています。ありがとうは人生を好転させる最強の言葉。一人では無理なことでも誰かと手を携えれば乗り越えられる。そんな未来を願って作りました。小さいころから大好きで見ていたドラえもんの映画挿入歌を作らせていただけて、本当にうれしい」と話した。
今は、「うっせぇわ」など人気楽曲を「ビリー・バンバンの菅原進が歌ってみた」シリーズが好評となっている夫・進さんのユーチューブチャンネルのピアノ演奏やコーディネートを担当。友人のシンガーソングライターYUKI―Mさんらと女性ユニット「musuBees(ムスビーズ)」を結成してファースト楽曲「愛の船」をリリースしたり、昨年公開された舞台の挿入歌やBGM制作に編曲やピアノで参加。ピアノ教室も続けており、活動の幅を広げている。「いいちこ」のテレビCM最新曲「ふたり物語」も夫婦で作曲した。以前にはビリー・バンバンの名曲を題材にした絵本「白いブランコ」(ゆめのかたち社)も出版しており、多彩な才能を発揮している。
知子さんは日高高校、関西外国語大学短期大学を卒業後、大阪のレストランなどでピアノを演奏。25歳で上京し、1999年にサンミュージックタレントオーディションで自作曲をうたい入賞。東京を拠点に音楽活動を続け、2009年に進さんと結婚後もジャズ・ポップスピアニストとして活動している。