ひずみ計の埋設作業(システム技電舛田淑彦氏提供)

 大規模地震に関連があると考えられているプレートがゆっくりとずれ動く「スロースリップ」現象を詳しく調べるため22日、日高川町和佐地内の町有地地下深くに、地下水の動きや地殻変動などを観測するひずみ計が埋設された。

 国の研究機関「産業技術総合研究所」が行う、地下水観測による地震の予知研究で、南海トラフ地震の想定震源域である東海から四国にかけて、16の観測点を設けて調査している。紀伊半島西側に、観測施設がなかったことから、今回同所に整備される。県内では、本宮、串本町に次いで3カ所目の観測点となる。

 現場では22日、地下600㍍までボーリング掘削された穴に、ひずみ計という地下水の動きや地殻変動、地震も観測する装置を埋設する作業が行われ、深部で起こるスロースリップの調査が開始される。

 同研究所の板場智史主任研究員は、「今回の設置で紀伊半島の西側のデータを取ることができる。地下深くで起こっていることをしっかり把握し、南海トラフ地震の予測につなげたい」と話していた。