生徒に巣箱を見せながら話す下村さん

 みなべ町の高城中学校(瀬戸敬二校長)で18日、ミツバチについての学習会が開かれ、1年生7人が生態等について知識を深めた。

 地域の歴史や文化、産業、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」などを学ぶ同校独自の梅の里学習の一環。講師はニホンミツバチを飼育して10年以上の地元の下村勤さん(77)が務めた。

 南高梅の受粉に欠かせないミツバチは、梅システムで重要な役割を担っている。下村さんは、ここ数年ニホンミツバチが激減しており、天敵のダニやスズメバチの影響のほか人工林が増えて生息する場所が減っていることを説明。「多くの植物はミツバチのおかげで受粉して実がなっている。ミツバチがいないと食糧危機になるともいわれています」と重要性を強調した。

 ニホンミツバチの蜜はいろんな花の蜜がブレンドされているのでおいしいことや、巣箱の中は蜜の層、花粉の層、育児の層の三層構造になっていることを図で分かりやすく解説。「天敵のスズメバチを集団で囲み、体温の熱で蒸して撃退する」など知られざる生態も紹介した。

 4月ごろには巣箱作りを実践する。