フキとサーモンの煮つけを紹介するページ
本を出版したヒゴさん夫妻

 美浜町三尾からカナダ・リッチモンド市スティブストンに渡った移民3世の和代・ヒゴさん(72)と夫ケビンさん(72)が、カナダで日本の家庭料理を紹介するレシピ本を出版した。

 2年前から制作に取りかかり、和代さんが料理を作り、ケビンさんが撮影を担当。ケビンさんは「自分の子や孫など、次世代の日系人などのために、食文化を残していきたいという思いで出版しました」。和代さんは「2人でけんかもしながら、完成させました」と言う。

 ひじきの煮つけやかぼちゃの煮つけ、かまぼこ、かしわもちなど、昔ながらのメニューを英語で紹介。なかには山菜のフキとほぐしたサケの身を一緒に炊く、「フキとサーモンの煮つけ」というサケ漁をしていた移民がよく食べていた料理も紹介されていて、全部で約60のレシピを掲載している。

 カナダ・バーナビー市の日系カナダ人博物館・文化センターで販売されており、すでに初版2000冊が完売し、増刷するという。

 2人は約5年前から月に一度、日系人高齢者約80人を対象に日本食を提供する活動もしていて、現在はコロナ禍で開催できていないものの、「本で得た収益は、日系人高齢者らの互助費として使っていきたい」と話している。

 2年前に100歳で亡くなった和代さんの父村尾敏夫さんは、前美浜町長森下誠史さんの遠戚にあたり、先日、レシピ本が森下さん宅に届いた。