有間皇子がモチーフの男性用の衣装

 みなべ町観光協会(岩本恵子会長)は、有間皇子をイメージした観光PR用の時代衣装を作った。

 有間皇子は飛鳥時代の皇族で、中大兄皇子(天智天皇)のいとこ。中大兄の陰謀により、「斉明天皇への謀反を企てた」として658年に19歳の若さで刑死した「悲劇の皇子」として知られる。謀反の罪で護送される途中、みなべ町岩代で歌を詠んでおり、熊野古道の名所になるなどゆかりが深い。有間皇子やみなべの歴史、魅力を知ってもらおうと衣装を作った。

 薄紫を基調に皇族の気品あふれる男性用と、同じ時代の華やかな女性用の2種類を作製。趣味が高じて須賀神社(西本庄)の祭礼で使う衣装なども手がける町内の田上雅春さん(65)=梅加工会社代表=がすべて手縫いで仕上げた。

 今月開催予定だったUME―1フェスタでお披露目予定だったが、新型コロナ禍で中止。今後は町内のイベントや県外での観光PR活動等で活用する。岩本会長は「目を引くデザインで、みなべと有間皇子のつながりを多くの人に知ってもらい、まちに興味を持ってもらうきっかけになれば。町内の小中学生にも歴史に関心を持ってもらいたい」と話している。