みなべ町で発見された新品種の光丸うすい

 御坊市塩屋町の県農業試験場暖地園芸センターが、みなべ町で発見された実エンドウの新品種「光丸(みつまる)うすい」の収穫時期を早める研究を行い、種をまく時期を早めることで初期収量が増加することなどを明らかにした。草丈が低いのが特徴で、収穫作業などの効率化に期待されている。光丸うすいは品種登録を出願中。

 新品種光丸うすいを発見したのはみなべ町東本庄の大野光男さん。2015年秋に種をまいた「きしゅううすい」の中から見つかった。暖地園芸センターなどが特性を調査した結果、莢(さや)の見た目がきしゅううすいに近く、莢の形質も優れていることが分かった。18年12月に「みなべ短節間1号」と命名し、県が支援して農林水産省に品種登録を出願。その後、「光丸うすい」に名称が変更された。

 大きな特徴は草丈の低さ。5㍍以上に成長するきしゅううすいの75%程度で、収穫作業などが省力化される。味はきしゅううすいと変わらない。

 しかし、きしゅううすいに比べて開花が遅く、初期の収穫量が少なくなる点がネックで、収穫時期が遅れると、露地のウスイが出回り市場価格が安くなる3月以降の出荷が増えてしまうという課題があった。

 このため、暖地園芸センターは20年度から、光丸うすいの初期収量を向上させる栽培方法を研究。その結果、きしゅううすいより5日早く種をまくことで、同時期から収穫できることを確認。また、白熱電球による電照時間を4週間(きしゅううすいは2週間)にすれば、開花時期が2日早まることも分かった。

 研究に携わっている暖地園芸センターの宮前治加主任研究員は「来年度は栽培マニュアルを作成したい」と話している。