拳を突き上げて活躍を誓う奥地、松村、岡久選手(左から)

 第94回選抜高校野球大会の選考会が28日にあり、県勢は一般選考で和歌山東(初)と市和歌山(2年連続8回目)の出場が決まった。市和歌山の本紙エリア(硬式チーム出身者含む)3選手も、甲子園切符に笑顔があふれ、夢舞台での活躍、チームの勝利に向けて早くも闘志。組み合わせ抽選会は3月4日、大会は18日開幕。一般選考29、21世紀枠3の32校が熱戦を繰り広げる。県内から2校が選ばれたのは3年ぶり、公立2校は30年ぶり。

 和歌山市六十谷の市和歌山では午後3時半すぎ、選抜出場決定の電話を受けた栂野作治校長がグラウンドに姿を見せ、選手たちに報告したうえで「おめでとう。コロナ禍で十分な練習や試合ができない中、出場を勝ち取ったのは素晴らしいこと。保護者や先輩のおかげであり、大会ができることに感謝を忘れないでほしい」。半田真一監督が「うれしいな、みんな。選考されるか分からない中、信じて辛抱強くやってきた。支えてくれる方々に恩返しできるよう準備していこう」と呼びかけた。

 胴上げや帽子を飛ばしたり、肩を組んだり、声を上げて喜ぶのは控え、選手たちはマスクを着けたままガッツポーズ。静かに喜びをかみしめた。

 本紙エリアメンバーは、松村祥吾(2年・河南中出身・紀州由良リトルシニアOB)、岡久魁里(同・御坊中出身・同校野球部OB)、奥地悠斗(同・湯浅中出身・紀州由良リトルシニアOB)の3選手。3人とも昨秋、県予選から近畿大会までベンチ入りしており、晴れ舞台での活躍が期待されている。

 松村選手は主将を務め、昨秋は1番・遊撃手で、近畿大会では1回戦で決勝適時打。チームの8強入りに貢献しており、「本当にうれしいです。堅実さ、泥臭さで目の前の相手を倒し、まずは昨年(ベスト16)以上、優勝できたら。持てる力が出せるよう毎日の練習を大切にしていきたい。チームに流れを持ってくるようなプレーがしたい」と意気込みを示した。

 岡久選手は県2次予選では外野手として先発や代打で出場。近畿大会では2回戦に代打で犠打をきっちりと決めた。「近畿大会以降、力を入れてきた打撃力と、泥臭い野球で勝ち進み、優勝を狙いたい。自分の持ち味である思い切りのいい打撃と気持ちの強さを発揮して勝利に貢献したい」と抱負。安定感に自信があるという右腕の奥地選手は、昨秋の公式戦では出場機会に恵まれなかったが、「米田(天翼選手)らいいピッチャーの後ろで、いつでもいけるよう準備しておきたい。他とは違う自分の武器にと安定感を磨いてきた。チャンスが回ってくればチームのために結果を出したい」と燃えている。