写真=田中さんの「野に咲く」

 歴史と伝統ある美術展、フランス国際公募展「ル・サロン2022」で、美浜町文化協会、日本画群青の会会員、田中美惠さん(71)=同町和田=の「野に咲く」が入選した。田中さんは2年連続、3度目の入選。作品は来年2月16日から20日まで、パリのイベント会場「グラン・パレ・エフェメール」で展示される。

 ル・サロンはフランス芸術家協会主催で、1667年から350年以上の歴史を持つ世界最古の公募展。17世紀にルイ14世の布告で始まった王立絵画彫刻アカデミー(現フランス学士院)の作品展を受け継ぎ、ルノワール、ミレー、モネら歴史的に有名な画家も出展している。

 田中さんは、春に自宅近くの草むらに咲いていた草苺の白いかれんな花を見て、「描きたい」と心を動かされスケッチ。薄日の中に咲く花だけではバランスが悪いと、引き締めるためにクロアゲハをイメージした黒い蝶を描いた。

 若葉や裏返っている葉、花びらが落ちたおしべなどの濃淡を描いて立体感を出し、10号F(縦45・5㌢、横53㌢)の作品に仕上げた。

 日本画は35年ほど前に御坊市の市民講座を受講したことがきっかけで始めた。現在は御坊市展日本画の部の審査員も務めている。

 作品について「目に入って、心に響いた花をスケッチしたいという思いで描いています。今後もいろんな作品展に出展し続けることが目標です」と話している。